新年明けましておめでとうございます。
昨年は異常気象が世界中で大きな影響を与えた一年でした。その原因の一つには現代生活による地球温暖化が考えられます。
「一切の不幸せは貧しさや不足から生じるのではない。あり余るところから生じるのだ。」 これは有名なトルストイの小説「戦争と平和」の一節です。
現代社会は食品をはじめ、服、電気製品、車や家具等々がどんどん売込まれ、店頭には有り余る品々が並べられる、大量生産・大量消費時代です。そして挙句の果てには、おびただしい食べ物をはじめ大量の品物が廃棄されているという現実があります。このことが地球温暖化の原因の一つになっています。
この豊かな世の中にあって、毎日どこかで人が殺され、物が盗まれ、どこかで社会的弱者である子供達、高齢者の方々が色々な事件に巻き込まれ世間を騒がせています。生活は豊かになりましたが、果たして人の心は豊かになり得たのでしょうか。今こそ生活の中で座禅や写経を行い、一人一人の仏心に気づき、自分を見つめ直す時間を持つことが大切ではないでしょうか。
お釈迦様は、因果因縁を説かれました。物事には必ず因(原因)があり、縁があり、結果があると・・・。
我々が自分を見つめ直し、この大いなる自然に生かされていることに気づき、そして先祖に感謝の心を持ち、日々善因を積み重ねていくことが、より良い未来を築くことになり得るのです。
当院は通年、座禅会、写経会を行っています。どうか皆様もご参加いただき、より良い日々をお送り頂きたいと存じます。
本年もよろしくお願い申しあげます。
平成26年元旦 徳光院住職 橋本元勝 合掌