当ホームページは、大圓山徳光院護持会にて運営しております。

 

徳光院は、臨済宗天龍寺派に所属し、夢窓国師の法灯を掲げる寺院です。 一般の方々にも門戸を広げ、座禅や写経も行っています。

社会、政治、経済的に混迷を続ける現在の状況の中、一人一人の自覚と主体的な生き方、信念、正しい行動が求められる時です。誰も皆、夫々の立場で各種問題に直面していると思われるが、長い歴史や豊かな伝統文化の中から人間の本質を学び、鍛練と智慧、熟慮に努め、清浄で正直な心を忘れず行動し生きることが、自他ともに人間の基本として、人間形成に欠かせないと思われます。

是非、当院の提唱参聴の座禅会や写経会に参加されますようお勧めします。

更新情報

2024年

1月

01日

年頭所感:報恩感謝に志す

 明けましておめでとうございます。

 皆様にとって幸多き年となりますよう心からお祈り申上げます。

 昨年を振り返りますと、世界中が「ウイズコロナ」で経済活動が徐々に正常に戻る一方、ロシアによるウクライナ侵攻が終わらないうちに、イスラエルとイスラム主義組織ハマスが衝突し、争いが世界各地で起こる年になりました。

 日本に住む私たちは、病気や人の死などの四苦八苦が身近で起こらなければ、一日を何気なく過ごしているのではないでしょうか。ましてや、成人し社会生活を一人で送るようになれば、自分一人の力で生きている錯覚をすることもあるでしょう。しかし平和に日々暮らせていることを我々は再認識すべきだと思うのです。

 仏教の基本の教えは、「四恩」という四つの感謝の気持ちです。

 父母、衆生、国主、三法(仏・法・僧)に対し報恩感謝することです。先ず父母の恩。文字通り生まれてより長く成長を見守ってくれている両親への感謝。次に衆生の恩。衆生とは生きとし生ける全てを表し、友であり、親戚であり、ご近所であり、クラスメート、会社の仲間です。三つ目に国主の恩。国とは日本国のみならず、職場や学校等の意味を含み、安心して暮らすことができる"国"作りをする天皇陛下、総理大臣、会社社長、校長先生等への恩を意味します。最後に三宝の恩。佛と佛の教えである法と、その教えを奉じる僧の佛・法・僧であり、また正しい宗教のことです。

 恩という字は因の心と書きます。今ある『もと』を感謝する『こころ』が恩であり、その恩に感謝して報いる報恩感謝をし、人生を歩むことを最良とするのです。この世の中に父母があって自分が生まれ、みんながいて自分が助けられ、国があって生活ができ、三宝の恩により心穏やかに過ごせます。

 お釈迦様は「因果因縁」を説かれました。物事には必ず因(原因)があり、縁があり、そして結果があると。日々善因を積み重ねていくことに努力し、この世に生まれた使命を全うすることが肝要なのです。

 使命を果たすこと、それは”なりきる”ことに通じます。例えば、お父さんは「お父さん」になりきる。先生は「先生」になりきる。国主は国民が安全で楽しく暮らせる国家になるようになりきる。坊さんは正しい宗教、仏教を正しく広め、皆さんが心穏やかに過ごせるようになりきる。日々感謝し、それぞれの勤めをきちんと果たすことを心掛けたいものです。

 コロナ、戦争、不況、貧困、差別、弾圧と世界中で理不尽なことが起こる中で、我々は四恩を感じ、日々過ごしていかなければならないのです。その為に自己を見つめる機会をどうかつくって下さい。

 当院は通年、「座禅会」、「写経会」を行っています。皆様にもご参加いただき、自分を見つめ直し、より良い日々をお送りいただきたいと存じます。

 本年もよろしくお願い申し上げます。

     令和6年元旦                    

            徳光院住職

                    橋本元勝 合掌

 

 

2023年

11月

23日

絶景の紅葉:弁財尊天大祭・筆供養開催

 11月23日(木曜日・勤労感謝の日)午前10時より、恒例の弁財尊天大祭・筆供養が開催されました。

 秋の紅葉が始まるとされる最低気温は、およそ8°Cとされます。長引く残暑の影響の為か、最近は高めの気温が続き、紅葉の見ごろも遅れ気味かと心配されましたが、此処布引の山麓を彩る紅葉の禅寺は、毎年のことながら見事でした。

 朝光を浴びて紅葉の森に社殿の祈祷の太鼓の音がこだまするなか、恒例の護摩供(ごまく)が大祭を盛り上げてくれました。

 焚き上げる護摩木の煙や炎が、舞い上がり天空に届くことによって、代わりに人々に福が与えられるといわれます。願い事や供養の為の護摩木を焚き上げながら、「オン・ソラソバテイ・ソワカ」と真言を唱え、真っ赤に燃え盛る炎に怒りや愚かさ(煩悩)を託し、焼き尽くしてくれることを願って大祭は終わりました。

 なお紅葉の最盛期は今週から来週でしょうか、是非お出かけお詣り下さるよう願っております。

 

2023年

9月

23日

秋彼岸法要執り行いました

 朝夕の外気に少しずつ爽やかさが感じられる季節となりましたが如何お過ごしでしょうか。

 令和5年9月23日(日曜日・秋分の日)、今日は彼岸の中日ですが、恒例の秋彼岸法要が営まれました。墓苑には早朝から花を携え家族そろってお墓掃除とお墓詣りで混雑し、多くの墓参者で賑わいました。

 言うまでもなく、秋は夏と冬の間の季節。気象庁が用いる一般的な季節の区切りでは9月から11月までですが天文学的な区別では秋分から冬至までだとされます。

 古くから秋の七草にも入っている萩は、秋の花として代表的ですが、すでに夏の盛りから咲き始め、秋分には花は満開となります。

 多宝塔や参道の狛犬の脇のミヤギノ萩の花もまた、早々と先端の枝をしならせて咲きみだれ,ここ圓山の秋を美しく彩り、本日の秋彼岸法要の開催を盛り上げるかのように演出してくれていました。

 彼岸入りによって季節は秋本番となってきたとはいえ、いまだに気温は高く今後炎暑の再来も予測されていますが、暑さ寒さに強いと云われる萩の花の特徴のように、この厳しい残暑に柔軟に対処していただきます様願っております。

 

2023年

9月

12日

久々に開山忌法要を開催

 コロナ禍でやむなくこの三年間中止してきた当山開山毎歳忌法要でしたが、9月10日(日曜日)午前10時より開催、無事終えることができました。久々の開催のうえに、当日は西日本を中心に大気不安定な天候のため心配されましたが、法要は予想以上の参列者で賑わいました。

 今回法要に先立って、『お地蔵さん』と題して地蔵院(神戸市兵庫区)の住職湯浅大忠師により、仏像の一つである地蔵の歴史やその日本人との関りと存在意義など、貴重な法話を拝聴しました。

 法話に引き続き、祥福寺をはじめ当山と縁の深い各寺院から多数の僧侶と雲水の出席を得て法要の儀式が始められました。祭壇に向かって、導師である元勝和尚が深々と三拝、丁寧に薬湯・食事・菓子やお茶が供えられ、そして香語が唱えられ、厳粛に法要が執り行なわれました。最後に参列者全員が開山堂にて焼香・礼拝して開山忌法要を終えることとなりました。

 慣行となった法要とはいえ、開山忌に行われる僧侶や信者たちが読経や勤行を行う光景はまさしく感動的です。

2023年

8月

09日

夏の祈り:山門大施餓鬼会開催

 連日気温は35度を超す猛暑が続いていますが、皆様いかがお過ごしでしょうか。今月8月6日(日曜日)午前10時より時鍾と太鼓の音が開始の合図となって、恒例の盂蘭盆山門大施餓鬼会が厳粛に執り行われました。

 永らくの間新型コロナウィルス禍の為開催中止を余儀なくされてきた夏の風物詩である七夕祭りや花火大会の開幕が、今夏は各地で見られ、多くの市民や観光客が繰り出し、漸く街には活気が戻りつつあります。

 当山の法会においても、連日の猛暑に拘わらず、久しぶりに大勢の参列者で賑わいました。毎年のことながら、このお盆時期に行われる施餓鬼法要は、その儀式を通してご先祖様をはじめ有縁無縁の生命に生かされていることに感謝し、慈悲の心に祈る期間ともなっています。

 本堂に設けられた精霊棚に向かって静かに手を合わせ、米と水を供えて全員で読経を致しました。

2023年

5月

29日

徳光院護持会総会開催報告

 新緑の五月最後の日曜日である昨日28日午前10時より徳光院護持会総会が開かれました。この三年間コロナ禍で中断された後、久しぶりの総会でしたが、未だに影響が残るのか少数の出席者ではありましたが大変和やかな総会でした。

 総会は、昨年度の庶務報告に始まって、今年の記念行事として趣向を変えて、会員に写経を身近に感じていただく為、元勝和尚の指導のもと『筆ペン写経』が行われました。

 開け放たれた本堂から初夏の初々しい若葉の緑を見晴らしながら約一時間かけて、徳光院オリジナルの薄墨のなぞりタイプの般若心経を出席者各位は祈願を込めて謹写し納めさせていただきました。

 引き続き開山・開基及び会員物故者、会員各家累代の追悼法要をささげて総会は締められた後、斎座(懇親会)に移り京都の精進料理を出席者全員で満喫いたしました。

 さて、梅雨入りが間近とはいえ、これからは本格的な夏へ向けた準備の時期です。そして輝く太陽の光をいっぱいに浴びてあらゆる生命がぐんぐん成長して行く季節でもあります。

 コロナ禍も一段落した現在,本年度は年中行事である法要はもちろんのこと、定例行事の座禅『味道会』や写経『空心会』も同様、今後とも定例通り開催していますので是非ご出席ご参加頂きます様ご案内申し上げます。

2023年

4月

20日

藤の花が見頃を迎えました

護持会の皆様如何お過ごしでしょうか。

 この数年は毛虫の食害で咲きそびれていた藤棚が、元気を取り戻し久しぶりに今年は満開で見られそうです。ご存知の通り藤の花は白色の品種もみられますが、矢張り伝統の紫色の花に勝るものはなさそうです。藤の花には芳香があり満開の際には藤棚の下にほんのりと甘い香りが漂い心を癒してくれます。紫色の花房を下垂れさせた姿は、嫋やかで美しく何とも言えぬ優しさを感じさせてくれます。その優美さから日本古来の花として日本人に愛されて久しく、その関りの深さは平安時代の貴族社会の様子からも窺い知ることができ、日本人の心を魅了し続けてきました。藤は枕草子や源氏物語などの平安文学や和歌、家紋などにもいたるまでとり上げられ、平安時代の最高の憧れの植物でもあったようです。花の見頃は今週末から来週でしょうか、お詣りの節にご関心あれば、内庭ですので庫裡に一声かけられたうえ観覧されますようお願いいたします。

2023年

3月

22日

催花雨の中春彼岸会法要開催

新型コロナウイルスの感染が確認されて3年、政府は今年5月8日には「5類」引き下げに移行されるとはいえ、私達の暮らしにどんな変化や影響があるのかまだまだ心配され、もうそろそろ日常を取り戻したいころです。そんな不安な空気を打ち消すかのように「春の彼岸」と共に花の季節がやって来ました。皆様お元気でしょうか。

 昨日3月21日(火曜日・春分の日)恒例の春彼岸会法要が執り行われました。当日は残念ながら降雨となりましたが、墓苑には多くの墓参者で賑わいました。まことに季節だけは正直で、圓山の境内には春雨に促されるように、椿をはじめ雪柳、馬酔木、山茱萸が咲き乱れ、しずくを含んだ美しく可憐な花の姿に癒されました。気温の上昇と共に次々と蕾が膨らみ草木の芽吹くこの春雨は、今を生きぬく私達にまさに恵みの雨であったかのように感じられました。

2023年

1月

01日

年頭所感:『今』を生き抜く為に

謹んで新春の御祝を申し上げ、皆様のご多幸年なる事を祈念申し上げます。

昨年は新型コロナ禍が続き、またロシアがウクライナに侵攻し戦争が始まり、エネルギーの供給や穀物の輸送混乱等により世界的に不安な日々が続きました。

日本では夏頃から行動の制限が緩くなり、久しぶりに家族友人と再会できた方も多かった様子でした。

三年続くコロナ禍で不自由な生活を送る中、ふと徳川家康の言葉を思い出しました。

『人の人生は重い荷物を負うて遠き道を行くが如し、急ぐべからず。不自由を不自由と思えば不足無し。心にゆるみこらば困窮した時を思い出すべし。』

皆この不自由を苦と感じておられることでしょう。

お釈迦様はこの世は『苦』だと仰せられました。「一切皆苦』だと。

『一切皆苦』は四法印という仏教の最も大事な教えの一つで、お釈迦様はこの『一切皆苦』を具体的に八つにまとめ「四苦八苦」という言葉で表されています。

生病老死の四苦と愛別離苦(あいべつりく)・怨憎会苦(おんぞうえく)・求不得苦(ぐふとっく)・五陰盛苦(ごおんじょうく)を合わせて八苦。

我々はこの四苦八苦から避けられません。人生・世の中が自分の思い通りにならないことに悩むことで、お釈迦様はこの一切皆苦の原因は四法印の二番目『諸行無常』と三番目『諸法無我』であると説かれました。

 『諸行無常』とは、すべてのものは常に変化し永遠であるもの

  は存在しない 。

 『諸法無我』とは、すべてのもの事(諸法)は互いに影響し合い、 

  何一つとして単体で存在するものはない(無我)。実体はない。

各々が諸行無常と諸法無我というこの世の真理を受け入れ、全宇宙やご祖先様から与えられた『今』を精一杯生きていく。『今』苦になりきり一心不乱に生きていく。『今』を抜きにして昨日のことで悩んだり、明日への不安で悩んだりするのではなく、諸行無常、諸法無我を感じて『今』を精一杯生きることにより、また苦(この世)になりきることにより、不自由になりきることで救いがあると説かれているのです。

そして「四法印」の最後の教え『涅槃寂静』という苦しみのない安らかな悟りの境地(涅槃の境地)に到達できると説かれています。

不自由を苦と案じるのか否かは、徳川家康の言葉『不自由を不自由と思えば不自由無し』、つまり不自由になりきればということであり、苦(この世)になりきれば苦無しということではないでしょうか。

『今』を無心で受け入れ、急がず人生を精一杯無心で生きていくことが、この厳しき重い荷物を負う時代をより良く生きていく方法と言えるでしょう。

『今』をゆったりと無心に生きていくために、禅をおすすめしています。坐禅は決して難しいものではありません。姿勢を調え、呼吸を調え、心を調えていきます。短時間でも良いので坐禅を続けることで心穏やかな毎日になることでしょう。

当院では、通年坐禅会や写経会を行っています。

混沌とした現代社会の中でより良い生活を送るために是非ご参加頂きたいと存じます。

今年こそコロナ禍が収まり、戦争が終結することを節に祈ります。

本年もよろしくお願い申し上げます。

    令和五年 元旦

                 徳光院住職

                    橋本元勝 合掌  

 

 

 

2022年

11月

23日

秋雨の中「辨財尊天大祭・筆供養」開催

今日西日本では、低気圧の接近で広範囲にわたって降雨の一日となってしまいましたが、恒例の『弁財尊天大祭・筆供養』は無事執り行われました。

いつもの賑わいの祭典は、秋の冷たい雨が終日降り続いたため、参拝者は少数で大変残念でしたが、赤・橙・黄色に色づいた紅葉は、思いもかけず下垂れる雨に輝き、鮮やかさ美しさは溢れんばかりに満ちていました。

最後は、雨に煙る光景に包まれ、護摩供の大きく燃え盛る炎と白煙の広がりの中,行者衆の掛け声で「世界平和」と「家内安全」「コロナ退散」を唱和、祈顔して大祭を終えました。

2022年

11月

14日

第40回弁財尊天大祭・筆供養開催のお知らせ

当山鎮守の「弁財尊天大祭・筆供養」が、いよいよ来週11月23日(水曜日・勤労感謝の日)午前10時より開催されます。

 ご存知の通り、弁財天は仏教の広まりと共に、その守護神の天部の一つとなる存在です。古くから豊穣の利益がある神様として、或は芸術・学問など多様なご利益が授かれる神様として、広く信仰を集め多くの人々から親しまれてまいりました。

 祭典は、お寺では衆僧による祈祷に始まり、参拝者全員で『オン ソラソバテイエイ ソワカ』とご真言を唱えながらのお参りとなっています。また、弁財天を囲繞する十五童子の中に筆硯童子がいることから、毎回弁財尊天大祭と併修して筆供養も営み、筆趣上達・廃筆感謝の祈願をしておりますので、廃筆・筆記具等を焚き上げますのでご持参お納めください。

 社殿の脇には、当山とご縁のあった彫刻家山口牧生氏による能勢黒石製の筆塚が建立されており、第一回開催以来祭典には、衆僧による凛々しい諷経に加え、岡山・福田海の行者衆による護摩供養が勇壮に執り行われ、遠近を問わず多くの方が参詣されています。

 晩秋の山を形容して「山装う」と云われますが、この時季は紅葉が一番美しい季節です。ここ圓山の樹々は赤々と色ずき、紅葉が織りなす幻想的な風景もまた護摩供養の燃え盛る炎とコラボして圧巻です。

 ご家族おそろいでお参り下さるようご案内申し上げます。

2022年

9月

24日

秋雨の候:秋彼岸法要開催

 暑さも一段落して、朝晩が大分しのぎやすくなってきましたが、如何お過ごしでしょうか。

 昨23日(金曜日・秋分の日)恒例の『秋彼岸法会』が執り行われました。

 先週から今週にかけ、過去に例がない危険と云われた台風14号が過ぎ去ったのも束の間、引き続き15号が接近し、当日は生憎の降雨となってしまいました。それでも午後2時から行われた本堂の読経回向終了後の墓地巡詣の頃には、幸いに雨上がりとなり、墓苑は多くの参詣者が集い賑わいました。

 九月末から十月は、台風が接近、上陸し易い季節ですが、今週末の三連休は、台風と秋雨前線のダブルパンチで台無しとなったうえに、思いがけない降雨被害が各地で見られました。被害地域の皆様は彼岸どころではなかったことでしょう。お見舞い申し上げますとともに、皆様どうか平穏で無事お過ごしなされますようお祈り申し上げます。

2022年

8月

07日

盂蘭盆山門大施餓鬼会が営まれました

 国内の新型コロナウイルスの感染者数が連日20万人を超える状況が続いていますが、皆様如何お過ごしでしょうか。

 昨8月6日(土曜日)午前10時より、恒例の『盂蘭盆山門大施餓鬼会』が執り行われました。当日の朝は雷雨でどしゃ降りとなり、一瞬どうなることかと心配されましたが、法会開始前には天候回復、無事終えることができました。

 思えばコロナ禍の開催は今回で三回目を迎えることとなりましたが、一日も早く静かで平穏な日々の日常に戻ってほしいものです。

 毎年8月6日はあの悲惨な「広島原爆の日」でもあります。原爆投下から77年。投下された早朝8時15分、現地広島の式典会場内外には多数の市民により黙禱が捧げられました。

 特に今年は、ウクライナ侵攻のロシアが、核兵器の使用示唆することによって核の脅威が一段と高まり、被爆者や遺族の平和への祈りは一層切実な願いとなっていることは言うまでもありません。

 盂蘭盆施餓鬼会を通してこの機会に、私たちの先祖だけでなく広くすべての犠牲者の御霊を供養すると同時に、平和への願いを込め自分自身の無病息災を強く希求するものです。

 猛暑の季節、皆様どうかお元気でお過ごし下さるようお祈りいたします。

 

2022年

3月

23日

春分の候:春彼岸会法要が執り行われる

 このところ冷雨やポカポカ天気が反復し、不安定な天候が続きましたが、ようやく春分の日を迎え陽気な花の季節となりました。皆様お元気でお過ごしでしょうか。

 ここ圓山の境内にも本堂や納骨堂脇には、雪柳や馬酔木、山茱萸が咲き乱れ、今年もしっかりと陽春の季節の到来を告げてくれました。

 一昨日の3月21日(月曜日・春分の日)恒例の春彼岸会法要が執り行われました。まだまだコロナ禍の続く時節とはいえ多数の熱心な墓参者で賑わいました。しかし、残念ながら今年は桜の開花には間に合いませんでしたが、来週には墓苑の大桜も開花となることでしょう。

 先月2月24日に『ロシア軍のウクライナ侵攻』が始まり今日で約1か月。思いも寄らないその悲惨なニュースに接し、改めて命の大切さに気づかせられます。このような時期にあって、実に尊いお参りがこの日出来たことに深く感謝する思いでした。

2022年

1月

01日

明けましておめでとうございます

 新年明けましておめでとうございます。

    皆様にとって幸多き年になることを祈念申し上げます。

 昨年も新型コロナの流行で大変な一年になりました。9月30日緊急事態宣言全面解除になるまで、ほぼ一年を通して「蔓延防止等重点措置」「緊急事態宣言」が繰返されました。

 お釈迦様は”すべては因果因縁により生じ因果因縁により滅す”と説かれました。法句経において『いま生命あるは有難し』とされ、この命を与えられた立場で100%無心になって務めていくことが肝要であると説かれております。この与えられた立場に命がけで取り組まれている医療従事者をはじめとするエッセンシャルワーカーの皆様に、心より感謝申し上げ、敬意を表します。

 新形コロナ禍において、生きていること、会食ができること、学校や会社に行けること、旅行、コンサート、スポーツ等々、今まで当たり前であったことが、当たり前でなかったことに気づかされました。

 京都にある妙心寺の開基「花園法皇」は病気がちであられた為、禅に救いを求め、志を立てられ、妙心寺を建立し一生禅の修行をされました。その花園法皇様は「病みてこそ道心の起こる候 不幸はこれ道の幸いなり」と仰せられたそうです。病気になってこそ「道」を求める心が生まれ、不幸はみな嫌うけれど、道を求める「因」となるので「不幸」は「幸」いなんだと仰っています。不幸があるからこそ幸福がわかると。

 新型コロナ禍の今、普通のありがたさに日々感謝して、自分中心になりがちな己をふりかえり、自分以外の全てのものに目を向けて、自分のできるつとめを果たしていくことが大切ではないでしょうか。

 己を見つめるには座禅が最適です。座禅は姿勢を調え、呼吸を調え、心を調えていきます。短時間でも良いので座禅を続けることでこの『自分のするべきつとめ』を見失うことなく充実した毎日になることでしょう。

 一日一度は座禅して、自己を見つめる機会をどうか作って下さい。

 当院は通年座禅会や写経会を行っています。新型コロナ禍の今こそご参加いただき、自分自身を見つめ直し、より良い日々をお送り頂きたいと存じます。

 本年もどうぞよろしくお願い申し上げます。

 令和4年元旦

                    徳光院住職

                       橋本元勝 合掌

 

2021年

11月

24日

錦秋の祭典:弁財尊天大祭・筆供養開催

 昨日の11月23日(勤労感謝の日)恒例の『弁財尊天大祭・筆供養』が開催されました。前日までまだまだ暑い日が続いていましたが、この日の朝は一気に気温が下がり、晩秋の朝陽を浴びた紅葉の布引圓山はまことに見事でした。

 近年の温暖化の影響で年々遅くなってきたとはいえ深まる秋の美しさを知らせてくれる紅葉は心を癒してくれます。

 神戸には美しい紅葉の名所は多数ありますが、山上にある『見晴らし台』からはおしゃれな街並みや眺望、夜景が楽しめる絶景の人気スポットがあり、今朝も「布引の滝と紅葉」を目指して大勢の登山者が訪れていました。野山の錦「錦繍の装い」と共に新型コロナ感染者の激減も加わり、今日は多数の参拝者で賑わい、何となく明るい気持ちで迎えた弁財天大祭でした。

 

2021年

9月

25日

秋色の候:彼岸会法要終わる

 街や野山にも秋色が俄かに深まる季節を迎えましたが、皆様如何お過ごしでしょうか。

 一昨日の9月23日(秋分の日)恒例の秋彼岸会法要が執り行われました。

 コロナ禍もどこ吹く風、季節は正直でここ徳光院の境内には、薄や萩、金木犀、彼岸花の開花が始まりました。感染症を避け県外からの帰郷を自粛する人が多いかと思われましたが、墓苑には早朝からマスク姿の家族連れの墓参者でにぎわいました。

 一年以上にわたって繰り返し猛威をふるう新型コロナウイルス。その感染による恐怖や不安、生み出される差別等々に苛まれ、息苦しささえ感じる日々ですが、晴れ晴れとした今日の秋空の下、お参りをして祈りをささげると心静まる思いでした。

2021年

8月

08日

コロナ下の盂蘭盆:山門大施餓鬼会を営む

 皆様如何お過ごしでしょうか。今年も残念ながらコロナ下の盂蘭盆を迎えることになりました。

 8月6日(金曜日)午前10時より恒例の『山門施餓鬼会』を執り行いました。国内は依然として新型コロナウイルス感染が爆発的に拡大する中で、参列者も例年の半数以下と少なかったが無事に終えることができました。

 当日は晴天に恵まれ、炎天に強い声で鳴くミンミン蝉が、和尚達の諷経をまるで掻き消すかの如く鳴き盛り、一瞬今年の秋の訪れが早まるのかなと大変印象的でした。

 この日8月6日は広島「原爆の日」に当たります。被爆76年のこの朝、広島は高齢の被爆者や遺族らによって死没者へ鎮魂の祈りがささげられました。

 この世に生きる私達は自分だけの幸せを願うだけでなく、先の阪神大震災やこの度のコロナ禍で犠牲となった人々など大勢の御霊を祈り供養することによって、改めて命の大切さや日常の尊さを知る機会となったのではないでしょうか。

 

2021年

4月

09日

灌仏会を執り行いました

 春は花の季節。春風が吹くたびに風に乗った花の香りが、次々に開花を告げてくれる、そんな風情のある季節でもあります。

 昨4月8日恒例の灌仏会(花まつり)を開催しました。灌仏会は釈尊が4月8日に誕生されたという伝説に基づき開催するお祭りですが、現在では「花祭り」の名で親しく呼ばれ、夏の盂蘭盆と共に日本最古の仏教行事の一つとなっています。地方によっては旧暦の日取りで行うところもありますが、本院では毎年新暦の4月8日に執り行っています。

 季節の花(暖冬の今年は開花が早まり椿に替わって八重桜)で飾られた花御堂が設けられ、空心会(写経)の方々によって甘茶が灌がれ、しめやかに誕生会が祝われました。

尚、毎月8日に開催している空心会(写経)はコロナ禍の拡大、波及に鑑みて当面休会いたします。

 

 

2021年

3月

22日

春彼岸会法要を執り行いました

 令和3年3月20日(土曜日・春分の日)新型コロナウイルスの流行が長びく中、恒例の春彼岸会法要が執り行われました。

 本堂における読経回向は、三密を防ぐため感染防止対策が取られているとはいえ、さすが出席者は少人数でしたが、屋外の墓地各塋地巡詣には、多数の檀信徒が訪れ大変賑わいました。

 家族ずれが多く、花や念珠を手にして、墓前に線香を手向け、故人や先祖に思いを寄せておられました。

 今年の桜の開花は全国的に例年以上に早く、当墓苑の大桜もほぼ満開に近く、春本番の風情が感じられ、思いもよらずコロナ禍の生き苦しさや心の不調を癒してくれるように思われました。

 

2021年

1月

01日

年頭所感:尊い命を使い切る使命

 謹んで新春の祝辞を申し上げます。

 昨年は新型コロナウイルスの流行で世界中が大変な一年になりました。一日も早く収束することを祈念致します。過去にも天然痘、ペスト、スペイン風邪等々の流行で多くの方々がお亡くなりになったそうですが、当時はまだ原因がよく分からずに、大変苦労された様子が伝わっています。現代でも未知なる新型のコロナウイルスの対応に苦慮しています。科学の発展は目覚ましいですが、やはり大自然の中では人間の力の弱さを感じるところです。

 臨済宗の禅匠、一休宗純禅師は正月に「門松は冥土の旅の一里塚めでたくもありめでたくもなし」と唱えながら、頭蓋骨を持ち街を歩いたと逸話にあります。「正月と浮かれているが、生老病死、また無常は、時人を待たずに近づいているぞ。ご用心、ご用心」と諭されているのですが、この『命』を当たり前に享受するのではなく、コロナ禍で、我々は大宇宙、地球の一部であり、その大いなるものより命を与えられて生きていることを再認識する機会にしたいものです。

 私たちが今生きているのは、両親、ご先祖様のお蔭だけではありません。衣食住を支えてくださっている方々、医療に携わる方々、大切な友人等々たくさんの方々のお蔭で今生きているのです。もちろん、米、麦、野菜、魚、卵、肉等の命、そしてそれを育む大地のおかげで私たちが在ることを忘れてはなりません。

 数限りないこの『命』がこの世に生を受けて、精一杯生き、お互いを支え合って世の中は成り立っています。我々は一人では生きていけません。全て知らず知らずに影響を受け又与え合って共存しているのです。見えないもののお蔭さまによって生かされ、この与えられた尊い命を使い切る『使命』があります。それぞれ与えられた立場に100%なり切っていく。無心になり、空になって臨んでいくことが肝要なのです。

 無心になって『なりきる』は、昨年大ヒットした『鬼滅の刃』でよく使われている『全集中』のことであり、全集中したとき「無」になり「空」になり大いなる力が発揮されるのです。そしてその「全集中」するために大事なことが『呼吸法』です。鬼滅の刃でも、水の呼吸、雷の呼吸、獣の呼吸、花の呼吸、炎の呼吸・・・(身体超活性の呼吸法)の呼吸により、大いなる力が得ることができ、この基本の呼吸、「全集中」の呼吸法が『座禅』であります。

 新型コロナ禍で、心身ともに休まることのない今こそ己を見つめ、心を休め、体を活性させ、心身ともに健康に生活したいものです。座禅は、姿勢を調え、呼吸を調え、心を調え、また身体のバランスを調えていきます。短時間でも良いので座禅を続けることで、「全集中」で充実した毎日になることでしょう。

 座禅は決して難しいものではありません。当院でも、通年座禅会や写経会を行っています。皆様にもご参加いただき、呼吸法によりストレスを発散し、自分自身を見つめ直し、「全集中」により充実した日々を送っていただきたいと存じます。

 皆様のご多幸をお祈り申し上げ、新年のご挨拶とさせていただきます。

  令和3年 元旦

                徳光院住職 

                    橋本元勝 合掌

 

2020年

11月

24日

新型コロナ退散:弁財天大祭・筆供養開催

 昨9月23日(月曜日・勤労感謝の日)午前10時から恒例の弁財尊天・筆供養が営まれました。皆様いかがお過ごしでしょうか。コロナ禍で不安を抱えお過ごしかと存じます。お寺も大きな影響を受け、お詣りには高齢者が多いだけに、お越しの方々にはマスク着用や室内換気の窓の開放、法要参列者が座る椅子の間隔を広くとったり等など、様々な不便をおかけしています。

 今年の大祭は、新型コロナ退散祈祷をはじめとして、恒例の各種祈祷並びに岡山福田海による護摩供養を勇壮に行い、更には護摩の煙を浴びて無病息災と開運招福、筆致上達が叶うことを願って供養し大いに賑わいました。

 当日の錦秋の圓山は秋の気配が濃くなり、楓,銀杏,ブナ、欅、ツツジやニシキギが美しく色づき、紅葉も一番見頃の好時節となりました。四季で姿を変えるここ圓山の紅葉を見ていると,変わっていくことがこの世の常であることを気付かせてくれます。コロナ終息はいまだ見えず、しばらくは人々に戸惑いや不安をもたらすことと思われますが、私たちは変化に惑わされることなく、この機会に今の自分をしっかりと見つめ、有縁無縁の命に生かされていることに感謝し供養したいものと考えます。

2020年

9月

23日

圓山の秋の訪れ:彼岸会法要が営まれました

 『暑さ寒さも彼岸まで』と言われます。厳しかった残暑も漸く収まり、秋を肌で感じる季節となりました。四連休の最終日となった昨9月22日(秋分の日)の午後、恒例の「秋彼岸会法要」が無事執り行われました。

 この日はコロナ禍にも拘わらず,久しぶりに境内は活気を取り戻し、墓苑では早朝から多くの檀家の家族連れが訪れ、花や線香を供えマスク姿で手を合わせ先祖の霊を慰めました。

 それにしても一時、国内外の移動制限やスポーツ、文化イベント等の開催中止が行われ、葬儀や仏事に至るまで自粛を受けてきたわけですが、未曽有の長寿社会の上に更にもたらされたコロナ禍とその共存によって人々の生活や意識は否応なく多様化し変化してきました。

 時代は大きく変化しても、彼岸会など仏事の営みによって先祖に感謝し故人を偲ぶ心は決して変わるものではないと考えます。

 古来日本人の伝統的な文化としてお盆や彼岸は『祖霊信仰』の一つとして営まれてきましたが、日ごろ仕事や暮らしで遠くにいても、これを機会に、先祖の霊や大切だった人が見守ってくれているという感覚を私達はしっかりと感じとることができるのではないか、と思うのです。

2020年

8月

07日

特別な夏:山門大施餓鬼会を営む

 早や暦の上では立秋を迎えました。皆様お元気でお過ごしのことと存じます。

 さて、新型コロナ感染拡大が続き開催が心配されましたが、昨8月6日(木曜日)午前10時より、恒例の『盂蘭盆山門大施餓鬼会』が営まれました。例年と違ってコロナ感染の影響下で出席者もいつもの半数以下と寂しい法会となりましたが、それでも熱心な参詣者の方々に見守られて無事終えることができました。

 盂蘭盆施餓鬼会は初秋のお盆の時期に日本古来の祖霊信仰として行われてきた仏教行事ですが、いつの時代にも大切にしていきたいものです。

 昨今の一向に止まらないコロナ感染は、多くの人々に将来の不安や恐怖すら与え、私たちの生命や生活を脅かす存在となっています。こうした災厄を私達は避け、遠ざけてばかりいるわけにはいきません。こんな時にこそ現実に向き合い、今日という日を生き抜くためにも将来に向かって強い意志と覚悟が求められます。

 新緑の生命輝く季節。盂蘭盆施餓鬼会を通して少なからず親族が集まり、正面の先祖を祀る精霊棚に向かい供物とお経をあげて有縁無縁の霊を慰め、ご先祖様や有縁無縁の生命に生かされていることに深く感謝するこの機会を大切にしたいと思います。

2020年

3月

22日

春彼岸会法要を無事終えました

 令和2年3月20日(金曜日・春分の日)恒例により春彼岸会法要を執り行いました。

 今年は、例年と異なりコロナウイルス流行の折柄、その感染拡大を受け集団感染防止のため、住民移動の制限要請まで叫ばれる状況の中でしたので、消毒、マスクや換気など感染対策を期し開催されました。本堂読経回向は簡略化され、出席もさすがに少なく、ひっそりした法要でしたが、それでも午後遅くには、桜の開花を直前に控えた春の日射しに誘われるように墓参の人出も増えて、墓苑には多数の参詣者が集いました。

 今後、感染拡大が止まらず、今の状況が長期化することも心配されますが、檀信徒はじめ皆様、どうか十分気を配られお過ごされますようお願い申します。

2020年

1月

01日

新年のご挨拶:本当の人間的な生き方「自他一如」とは

 謹んで新春の御祝を申し上げ、皆様のご多幸の年となることを祈念申し上げます。

 昨年は5月に新天皇が即位され、元号が「令和」に変わりました。出典は「万葉集」からで、漢文調にすると「和たらしむ」とも読め、外務省は「Beautiful Harmony (美しい調和)」との英訳で統一し、「調和をもって世の中を平和にさせる」意味を込めているそうです。

 昨今、国外で続く戦争、紛争、テロ。国内で起きている各種凶悪事件や虐待、いじめ等々。心を痛めることが数多く日常起こっています。改めて我々の日常生活の中でもこの元号の意味をよく考えたいものです。

 9月、ラクビ―のワールドカップが初めて日本で行われました。日本代表も『ワンチーム』を合言葉にベスト8入りする大活躍でした。ラクビ―の精神は先ずお互いのリスペクト(尊敬する、相手を重んじる)することです。お互いに認め合い信頼し、調和をもって大きなことを成し遂げていく。まさしく「One for All,  All for One(一人はみんなのために、みんなは一人のために)」です。そして戦いが終わればノーサイド(試合が終われば勝利の側も負けた側もない)で、戦った相手を讃え合う。これは因果因縁で起こった事柄を恨みや後悔せずに全て受け入れて、次にやるべきことに進んでいく姿勢につながるのではないでしょうか。

 仏教の言葉に『自他一如』があります。自分と他人が一つになる。そこに本当の人間的な生き方があるのだ、と。正しくラクビ―ジャパンの『ワンチーム』がこの『自他一如』であると思います。相手の立場で何も思わず受け取る。喜び、悲しみ、苦しみ、痛み等々。相手の痛みは自分の痛み、相手の喜びは自分の喜び。無心になることによって相手と一つになれる。相手の心と一つになれる、これ正に慈悲の心です。無心になることによって相手と一つになる慈悲の心に目覚めた時、私たちは真の生き甲斐が生まれ救われるということが、仏様の教えの根本です。

 10月12~13日の台風19号によって、岩手県釜石市で予定されていたナミビアvsカナダの試合が中止になってしまいました。そこで両チームは、日本でのボランティア活動を提案。ナミビア代表は宮古市で、カナダ代表は釜石市で多くの人を助けたのです。

 翌14日に、カナダ代表のダニエル・タイリフェール・ハウマン・ファン・デル・メルヴェ選手が、Twitterに「東京の成田空港で座っていたら、また日本人の行動に驚かされた。空港の職員や一般の人ら4グループが近づいてきて、『昨日は釜石を助けてくれてありがとう』って僕に言ったんだよ。何が驚きって、釜石はこの場所から530kmも離れた場所ってこと。僕はカナダ人であることをこんなにも誇らしくて、嬉しいと思ったことないよ。あの日釜石を助けに来たすべての人に伝えたい。『僕たちは目標を達成することはできなかったかもしれないけど、違うことを成し遂げることができた』って!(@DTHVDMより和訳して引用) 」と、ツイートされました。正しく『自他一如』の心です。

 心を無心にして心穏やかに、令和の心『和たらしむ』には、禅が最適です。物質だけではなく、スマホなどによる情報などが溢れかえる現代社会には、無心になり『自己を見つめ、心をやすめる』時間が大切です。

 座禅は決して難しいものではありません。姿勢を調え、呼吸を調え、心を調えていきます。短時間でも良いので座禅を続けることで心穏やかな毎日になることでしょう。

 当院でも通年、座禅会や写経会を行っています。より良い生活を送るために、是非ご参加いただきたいと存じます。

 本年もよろしくお願い申し上げます。

  令和2年元旦          徳光院住職(元ラガーマン)

                       橋本元勝 合掌

2019年

11月

24日

紅葉の錦:圓山辨財天祭・筆供養開催

 昨23日(土曜日・勤労感謝の日)午前10時から、恒例の『辨財天大祭・筆供養』を執り行いました。当日は、幸運にもこの数日の冷え込みも遠のき、大変暖かい秋日和となり、訪れる登山客や家族ずれも多く、絶好の紅葉狩りとなりました。

 全国的に遅れていた紅葉もこの数日で一段と進み、極彩色に彩られた圓山の森を背景に、撮影会さながらの和やかな姿が境内のあちこちに見られました。

 何といっても大祭のメインは、衆僧による祈祷や勇壮な護摩供養でした。参拝者全員が見守る中、参拝者や檀信徒が納めた様々な願意が込められた護摩木や廃筆,お札など次々と焚き上げられ、無事大祭は終了しました。

2019年

9月

24日

此岸から彼岸へ:秋彼岸会開催

お彼岸の季節となりました。

 昨9月23日(月曜日・秋分の日)に恒例の秋彼岸会が執り行われました。当日は大型台風17号の近畿接近で荒天が心配されましたが、幸いにも天候は回復し法会を無事終えることができました。

 ご存知のように、仏教では彼岸は此岸(現実の迷いの世界)と川を隔てた向こう岸のことであり悟りの世界を意味します。

 春秋の各一週間のこの期間中は、菩提寺を訪ね、墓参し、そして仏法を聴き、禅の教えに学び触れる身近な機会となっているものと思われます。

 私たちの人生も順境あり、逆境あり,様々なご縁に巡り合いながら暮らし、それが仏教でいう人生の無常というものかと思います。解決は遠くに求めなくとも、無常の事実(現実)から目を背けず、ご縁に向き合い、今を真剣に生きること自体が幸せと感じとることが、彼岸に渡る力となっていくことと思います。

       臨済宗 天龍寺派 大圓山 徳光院

       〒651-0058

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       TEL 078-221-5400 (8:00~17:30)

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※当ホームページは、大圓山徳光院護持会にて運営しております。

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