新年明けましておめでとうございます。
皆様にとって幸多き年になることを祈念申し上げます。
昨年も新型コロナの流行で大変な一年になりました。9月30日緊急事態宣言全面解除になるまで、ほぼ一年を通して「蔓延防止等重点措置」「緊急事態宣言」が繰返されました。
お釈迦様は”すべては因果因縁により生じ因果因縁により滅す”と説かれました。法句経において『いま生命あるは有難し』とされ、この命を与えられた立場で100%無心になって務めていくことが肝要であると説かれております。この与えられた立場に命がけで取り組まれている医療従事者をはじめとするエッセンシャルワーカーの皆様に、心より感謝申し上げ、敬意を表します。
新形コロナ禍において、生きていること、会食ができること、学校や会社に行けること、旅行、コンサート、スポーツ等々、今まで当たり前であったことが、当たり前でなかったことに気づかされました。
京都にある妙心寺の開基「花園法皇」は病気がちであられた為、禅に救いを求め、志を立てられ、妙心寺を建立し一生禅の修行をされました。その花園法皇様は「病みてこそ道心の起こる候 不幸はこれ道の幸いなり」と仰せられたそうです。病気になってこそ「道」を求める心が生まれ、不幸はみな嫌うけれど、道を求める「因」となるので「不幸」は「幸」いなんだと仰っています。不幸があるからこそ幸福がわかると。
新型コロナ禍の今、普通のありがたさに日々感謝して、自分中心になりがちな己をふりかえり、自分以外の全てのものに目を向けて、自分のできるつとめを果たしていくことが大切ではないでしょうか。
己を見つめるには座禅が最適です。座禅は姿勢を調え、呼吸を調え、心を調えていきます。短時間でも良いので座禅を続けることでこの『自分のするべきつとめ』を見失うことなく充実した毎日になることでしょう。
一日一度は座禅して、自己を見つめる機会をどうか作って下さい。
当院は通年座禅会や写経会を行っています。新型コロナ禍の今こそご参加いただき、自分自身を見つめ直し、より良い日々をお送り頂きたいと存じます。
本年もどうぞよろしくお願い申し上げます。
令和4年元旦
徳光院住職
橋本元勝 合掌