新緑の境内に「紅葉」?を発見しました

新緑の山裾を飾る深紅の楓の写真
新緑の山裾を飾る深紅の楓の写真

桜の満開時期も遠く過ぎ去り、愈々風薫る若葉の季節が到来した。先日、思いがけなく隠寮西側に目にも眩しく生茂った新緑の山裾に美しく深紅に染め抜いた楓の木を発見した。

聴くところによれば、その楓は三十数年前,先代の五世恭堂禅師の還暦祝いに贈られ、境内各所に植樹された貴重な楓60本の中の一本だそうだ。この楓の木の存在を教えてくれたのは、この日当山の弁財尊天にお参りしていたご婦人であった。

秋を待たずにこの新緑の時期からこれほど鮮やかに色ずく紅葉の種類があるとは知らずにいた不勉強な筆者は、少なからず驚いた。

秋の京で有名な紅葉寺・東福寺の三名橋の一つ通天橋周辺には、桜に替えて二千本に及ぶ楓の木が植えられたと、古来より楓に纏わるエピソードが今日伝えられる。楓の中には珍しい紅葉があり、地元の人達や参詣者に親しまれてきているようだ。それに比較して当山の紅葉は、植林数からして勿論東福寺には比肩しないが、春秋を通して境内の風情を深め、多くの人の心を癒してくれているのは確かである。

出入りの植木屋さんに教えてもらった。全国には約20~30種の楓が分布し、その種類を見分けるにはなかなか困難を極めるそうです。葉形の違い、樹高や枝の張り方、樹皮、葉柄の長さや色、そして花序や花色に至るまで様々である。葉形にしても、同品種でも誤差が見られ、育成地域や環境条件でも異なってくるそうです。秋の代表ともいえるモミジとカエデ、両者とも植物分類上はカエデ科カエデ属で同じである。

晩春から初夏にかけてのこの時期にあって、楓がこんなに美しい姿を見せてくれていたとは思わなかったのである。秋はまだまだ先のことですが、紅葉の季節にはこの楓の木は、さらにどんな色彩に姿を変えているのだろうかと、今からイメージしてみるのもまた楽しいのではないでしょうか。

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